私たちは車に揺られていた。
車の窓から見た空はすっきりと晴れていた。
そんな真っ青な空に、変わった雲が現れた。
その雲は三つ葉のクローバーのような形をして、
それがまるで布にプリントされた模様のようにずらーーっと並んで浮かんでいる。
まぁまぁお花みたいでかわいらしい雲たちだわ。
私は、イケてない携帯カメラを取り出し、記念にパチリ。
よく眺めていると、その雲の模様は地上に近づくにつれ、ぼんやりと溶け出しているようだった。
次の瞬間ふと気付くと私たちは皆、濃い霧に取り囲まれていた。
なにごとー!?
どうやら、私たちはあの溶け出した雲の中に入ってきてしまったようだ。
周りの人は皆、気分が悪そうだ。
今にも吐きそうになっている。
ちょうどそこに置いてあった『雲の取り扱い説明書』をちらりと見てみると、
何やら人間を気持ち悪くさせる成分が含まれている、らしい。
おそろしやー。
私たちは川をずんずん逆流していた。
山の上から下へ向かって流れているらしく、坂道を登る要領で、逆流していた。
その川はだいたいふくらはぎが真ん中へんまでつかる深さで、水が冷たかった。
両脇には、田植えをしたばっかりであろう田んぼが、棚田のように連なっていた。
田んぼの水は澄んでいる。
川の中を歩いているはずなのに、不思議なことに水面には流れもしぶきもなく、静かでまっ平らだった。
陽の光が水面に当たり、キラキラキラキラ光ってとても美しい。
川を登りきったところには、海があった。
低い並みが打ち寄せて、小石をじゃらじゃら遊ばせている。
とても小さな海のようだ。
少し散策していると、人気のない町に入っていた。
下町で、生活の匂いが漂うのに、ひとはひとりも見えなかった。
町の中ならここが一体どこなのか、住所がかかれてるかもしれない。
あの美しい水の世界を、次はあの人と一緒に歩きたい。
絶対にまたここに来たいのに。
でも、その願いは叶うことはなかった。
2日分の 私の 夢の お話。